画像参照:https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4604/index.html
運営委員 福田 利紗(大学生)
運営委員の福田利紗です。先日、NHKの番組「独自追跡・SNS性犯罪~ネット上で狙 われる子どもたち」の記事を読みました。もともと関心があった性的搾取の問題につ いての記事の内容や、読んで感じたことを書かせていただきます。 まず、NPO法人「ぱっぷす」とNHKの記者が共同で実施した調査について、説明しま す。彼らは、調査のため、SNS上に架空の子どものアカウントを作成することにしまし た。設定は、14歳の中学3年生の女の子です。調査を合法的な範囲内に収めるため、弁 護士などの助言をもとに、「こちらからは連絡しない」、「誘惑や挑発はしない」、 「未成年であることを強調する」というルールを設けて、実施しました。 まず「友達がほしい」とつぶやくと、たった2分で、20代~30代の男性12人からメッ セージが送られてきました。内容としては、いきなり性的な会話を持ちかけてくるも の、男性の下半身があらわになった動画を送ってくるもの、子どもに普通の会話をも ちかけて信頼させたうえで心をコントロールする「グルーミング」という手口を使っ て、子どもに性的なことを求めるものがありました。 「グルーミング」は、危険な手口の一つです。性的な目的のために、ことば巧みに 18歳未満の子どもを手なずけて、心理的にコントロールする行為のことです。グルー ミングによるわいせつ行為や児童ポルノの被害が出ています。被害者の中には、女の 子だけではなく、男の子もいます。 日本では、児童ポルノは違法であるため、いわゆる違法サイトで販売されていま す。需要が高いため、警察が取り締まっても、またサイトが作られてしまうという現 実があるそうです。こうした犯罪は、善悪の判断がつかない子どもたちを利用して、 行われています。子どもを守るという社会の体制・認識がしっかりと築かれていないために、起きてしまうということでしょう。また、子どもたち自身はグルーミングの 被害に遭うと、信じて騙された自分が悪いと自身を責めてしまい、周りの人に打ち明 けることが難しいという状況もあります。 私は、グルーミングという言葉を初めて知り、グルーミングによってわいせつ行為 や児童ポルノの被害に遭ってしまう子どもがいるという実態に、衝撃を受けました。 子どもを性的に利用できると思い込んでモノのように扱ってしまう大人がいること、 子どもが生きづらさを抱えているせいかネットに依存してしまい、そこで利用されて しまうという社会の在り方に、問題があると思いました。子どもも大人も生きやすい 社会になったらいいなと思いました。
【参照】 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4604/