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ニュースレター

こんな団体があります。IFCA

2016/03/21 13:28:40 ニュースレター
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ストリートチルドレンを考える会

紹介者・筒井保治(IFCAアダルトサポーター)

 

 IFCAは、2012年7月に日本とアメリカの児童福祉を繋ぐ米国のNPO法人として、立ち上がりました。現在、東京とアメリカのシアトルに支部を置いて、理念である「日本とアメリカの児童福祉をつなぐ、架け橋をつくろう~Connecting Youth, Caregivers, and Professionals Overseas」をもとに、日米で協働し活動しています。日本とアメリカが、お互いの国の児童福祉の向上のために語り合う場を創り、共にさまざまな活動を展開しているのです。

 

 現在、日本とシアトルの拠点が連携をとりながら、3つのプログラムを行っています。①ユース(社会的養護の当事者)、②ケアギバー(子どものケアにあたる人たち)、③プロフェッショナル(児童福祉の仕事に携わる人たち)です。

 

 ①のユースプロジェクトでは、社会的養護(児童養護施設・里親家庭等)の下で育った経験のある18歳から29歳の当事者が様々な場に登壇し、当事者の声を伝えることで、社会的養護について知ってもらう試みをしています。また当事者が本当に必要としている支援のあり方などについて、お話させていただいています。当事者は専門家や支援者とは違い、自己の経験から語ることのできる唯一のエキスパートだと、私は考えています。しかし、日本の現状では、声を挙げる当事者はごくわずかで、なおかつ声を挙げる場もこれまで少なかったように感じています。当事者が児童養護施設や里親家庭などに入所している間に求めていること、また、退所前や退所後に教えて欲しかったこと、欲しかった支援について訴えていくことは、日本の児童福祉の未来を明るく変えていくために大切なことだと思います。

 

 また、ユースプログラムでは、日米の当事者によるバイリンガルブログ“ My Voice, Our Story(http://ifcaseattle.org/youthandalumni/ )”を公開しています。そこには、ケアのもとで育ってきた若者たちの声を掲載しています。ほかにも、アメリカで実際に活用されている「ストラテジック・シェアリング」という自身の経験を話す際のツールの紹介や、18歳で施設や里親家庭を離れて自立する前に信頼できる大人と生涯を通じた関係を確立する方法、「パーマネンシー・パクト」を日本に広めていく活動を進めています。

 

 ②のケアギバーでは、シアトルのモッキンバードソサエティというNPOが考案した里親支援モデルを日本に導入する計画を、他機関と協力し合いながら進めています。虐待を受けた子どもたちの日々のケアにあたる養育者たちの孤立を防ぎ、地域のリソースとのより確実な連携を促進するこのモデルによって、家庭的な養護を日本に根付かせるためのプロジェクトです。

 

 IFCAはまた、ホームページと出版物を通して、日米両国のケアギバーの現状を伝え、お互いの国で要保護児童のケアにあたる人たちが、アイデアや思いを表現、交換できる場をつくりました。

 

 ③のプロフェッショナルでは、日本とアメリカの児童福祉に携わる専門職の人たちの、お互いの知識や経験を生かした交流と、国際的な共同プロジェクトを促進しています。プロジェクトの構想と計画だけではなく、経済的なサポートも行うことで、両国の子どもや大人のクライエントに最良のサービスやプログラムを提供しようとしています。その目標のもとに、トラウマフォーカスト認知行動療法(TF−CBT)という米国で開発されたトラウマ治療法を、日本に導入、均てん化する事業に取り組んでいます。

 

 日本とアメリカの文化や環境は違っても、児童福祉という分野が抱えている課題には共通項が多く見られます。社会的養護の制度を離れて自立する若者たちの状況も、酷似しています。ふたつの国が語り合う場を持ち、交流し、共に様々な活動を展開していくことが、お互いの児童福祉システムの向上につながるという考え方が、 IFCAの活動の基盤になっています。

(2016年3月発行のニュースレターNo254より)