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ニュースレター

メキシコ・ストリートチルドレンと出会う旅2015 参加者感想文1

2015/10/26 10:20:08 ニュースレター
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ストリートチルドレンを考える会

白須育珠(大学生)

 今回のツアーで感じたこと、学んだことはたくさんありすぎて書ききれそうにないので、特に印象的なことを大きく3つに絞ってまとめたいと思います。

 

 1つ目は、子どもたちの「夢」の話です。最初に訪問したNGO「カサ・アリアンサ・メヒコ」のグループホームで迎えてくれた女の子たちの多くは、私より10歳くらい若い子たちでしたが、おとなびて見えました。何を話せば良いかと緊張しながら、ある女の子と話しているとき、その子の将来の夢が知りたくなって聞くと、「カウンセラーになって、子どもたちを支えたい」と、話してくれました。きっと彼女自身の経験からその夢が生まれたのだろうと思いました。

 

 男子のホームでは、そこにいた全員から、それぞれの夢を聞くことができました。ほとんどの子が「○○になって家族を助ける」という答えでした。子どもたちがNGOで支援を受けるまで、どんな生活を送ってどんな苦しい思いをしていたのか、考えても想像しきれないのですが、少なくとも、このように誇らしげな笑顔で夢を話せるような状況ではなかっただろうと思います。辛い過去、家族への様々な思いを抱えながら一人で家を離れたときは、不安でいっぱいだっただろうと思います。しかし、いまはホームに来て理解ある仲間やおとなたちと過ごす中で、自分を認め、夢や目標を少しずつ育てながら生活していることが、伝わってきました。みんなの夢が叶った頃、また会っていろいろな話がしたいです。

 

 2つ目は、路上活動を通して学んだことについてです。全日程の中で3回、実際に3つのNGOでストリートエデュケーターと一緒に、路上をまわる機会がありました。その初回、「オガーレス・プロビデンシア」のエデュケーターに同行して路上を歩いているとき、道ばたでシンナーを吸っている人たちと出会いました。NGOの支援の年齢枠をはみ出して、18歳以上のおとなになってしまった人たちですが、つながりのある子どもたちの情報を得るためにも接触していくといいます。薬物を使っている場面を生まれて初めて見て、異様な臭いを間近で嗅いで、とにかく驚きと「怖い」という気持ちが生じ、その場から離れたくなりました。お別れの握手をするときも、笑顔が引きつったことを覚えています。

 

 また、最終日には、「ジョリア」のエデュケーターと別の場所に行ったのですが、そこでは高校生くらいの年齢のカップルが生活していました。女の子のお腹には赤ちゃんがいて、妊娠4か月目だということでした。彼らの過去や今の生活の話を聞き、これからの彼らのことを考えたとき、「幸せになってほしいけど、そう簡単にはいかないのかな」と思って悲しくなりました。

 

 このように、怖いとか悲しいという個人的な感情が湧いてくることは、「自分がエデュケーターだったら…」と考えると、良くないことだと思いました。漠然とそう思って、その出来事を案内人の工藤さんにお話ししたら、とても心に残ることを教えてくださいました。それは「いろいろと感じる、衝撃を受けることはとても大切。ただ、そのあとで“自分の立ち位置&感情と相手の立ち位置&感情”をしっかり意識しながら、関わり方を考え、実行していくことが重要」、「自分の感情に流されていては、相手が何を必要としており、自分にはそれについて何ができるかを把握することは難しい」ということです。私は(社会福祉を学んでいるので)今後、仕事をする上で子どもたちに限らず、問題を抱える人と関わることもあると思います。その時にこの経験を思い出し、工藤さんの言葉を大切にしていきたいです。

 

 3つ目はNGOのスタッフについてです。前述のように大学で社会福祉を専攻しているので、同じ「支援者」としての先輩であるエデュケーターやソーシャルワーカーの方々に会えることも、楽しみにしていました。活動の合間に、たくさんのお話を伺うことができました。全体を通して、スタッフは子どもたち一人ひとりを一人の人間として尊重していることを、第一に感じました。当たり前のことのようですが、それが当たり前ではなかった子もいるのだと知りました。

 

 「プロ・ニーニョス・デ・ラ・カジェ」のスタッフに話を聞いたとき、「自分は“寄り添い役”だ」と話してくれました。子どもたちにとって、お父さんでもお母さんでもない、友だちや兄弟のようだけどそうでもない、いつもそばで寄り添ってともに日々を楽しみ、時には一緒に悩んでくれるあたたかい存在です。そのように家庭的な安心感を与えながら、自立心を育てることも大切に支援していて、子どもたちの自発性や協調性を高めるような工夫もたくさんみられました。

 

 そしてどの場所でも、スタッフはみんな輝いて見えました。精神的にも肉体的にも大変な仕事ではあると思いましたが、全員がそれぞれの熱意を持って真剣に子どもたち自身や彼らが抱える問題と向き合っていることを感じました。そんなスタッフのみなさんは私の目標であり、憧れの存在となりました。しっかり勉強し、経験し、ちっぽけな自分ですが、子どもたちのためにできることを少しずつ始めていこうと思います。

 

 この旅に参加できてよかったです。ありがとうございました。

 

 

(2015年10月発行のニュースレターNo249より)