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ニュースレター

世界の子どもたち 5 -東ヨーロッパ編1-

2015/02/26 00:06:23 ニュースレター
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ストリートチルドレンを考える会

 運営委員 松永健吾  

 

 これまで、ストリートチルドレンはアフリカや南米、アジアなどの貧しい国々が中心でヨーロッパにはいないと思っていましたが、東ヨーロッパを訪問して、多くのストリートチルドレンがいることに大変驚きました。今回はウクライナとモルドバを訪問した時の事をご紹介させていただきます。

 ウクライナというと、昨年2月首都キエフにおいて反政府デモの参加者と治安部隊との衝突で多数の死傷者が出たのをきっかけに、その後ロシアによるクリミア自治共和国編入のニュースがまだ記憶に新しいと思います。今年に入ってからもフランスのテロ事件やイスラム国のニュースの陰に隠れていますが、ウクライナ東部での戦闘が激化している模様です。

 私が訪問した2011年1月上旬の首都キエフは、新年とクリスマスを祝うお祭りムードで賑わっていました。(ウクライナ正教ではクリスマスは1月7日です。)大通りにはイルミネーションが灯され、独立広場には大きなクリスマスツリーが飾られ、子どもたちは電気自動車の遊具に乗って遊んでいました。その時は現在のような内戦状態になるとは夢にも思いませんでした。

 キエフのカトリック系のストリートチルドレンの支援団体Caritas Kievを訪問しました。ウクライナでは、1990年代にストリートチルドレンが社会問題になりましたが、現在は政府のプログラムによりいくらか改善されました。18歳以下のストリートチルドレンは政府のシェルターハウスに収容されますが、18歳以上は路上で生活しているそうです。

 ストリートチルドレンが子どもを産むことが、社会問題になっています。Caritas Kievでは、母子家庭の支援など、子どものストリートチルドレン化防止に力を入れています。子どもたちは学校が終わった後、施設で家族や健康について学んだり、絵を描いたり歌や詩を作ったりしています。私が訪問した際も、母子家庭で育った兄妹が来ていました。ウクライナ語のクロスワードパズルやモノポリーのようなボードゲームで遊んでいました。以前はストリートチルドレンだったと言う男性にも会いました。家族や近所のサポートで現在は家があるそうです。政府の支援は受けていないそうです。施設にはマイクロソフトの人たちが、休日にボランティアに来ているそうです。

 次にモルドバです。西にルーマニア、他の三方はウクライナと国境を接する国で、日本では殆ど知られていません。私も訪問するまで全く知りませんでした。GDP(国内総生産)はフィリピンよりも低く、ヨーロッパの最貧国と呼ばれています。 

 女性や子どもの人身売買が問題になっていると聞き、訪問することにしました。首都キシナウのターミナル駅(日本でいう東京駅に相当)近くの路上で市が開かれていましたが、古着や家庭で使われなくなった物などが売られていて、とても質素で貧しい生活が感じられました。

 キシナウにあるストリートチルドレンの支援団体Clipa Sideralaを訪問しました。年末の最終日ということで、パーティーが開かれていた所にお邪魔しました。サンタクロースの衣装を着て新年の幸福を祈る寸劇や歌、穀物を投げる日本の節分に似たようなものもありました。出稼ぎに出ている人に感謝をするものもありました。

 モルドバでは、重工業が盛んなドニエストル川東岸地域がロシア寄りの沿ドニエストル共和国として事実上、独立状態にあるため、国の経済は低迷しており多くの人々が出稼ぎに出ています。モルドバの中でも北部や南部の国境付近の街が特に貧しく、多くのストレートチルドレンがいます。この団体ではストリートチルドレンや孤児院の子どもたちのために、サマーキャンプを企画したり、クリスマスのプレゼントをする活動を行っています。子どもたちだけでなく、その家族も支援しており、貧しい家庭の家をボランティアが修復したりします。スタッフにストリートチルドレンの人身売買のことを質問しましたが、そのような話は聞いたことがないとのことでした。孤児が別の両親に引き取られることはあるが、きちんと法律に則って行われているそうです。

 東ヨーロッパの旧ソ連から独立した国々は、市場経済への移行がうまく行かず、貧しい所が多いです。大国同士の思惑に翻弄され、争いや貧困で犠牲になるのはいつも、女性や子どもなどの弱い立場の人々です。一日も早く平和が戻り、皆が幸せに暮らせるようになることを祈っています。

(写真はウクライナのストレートチルドレン支援団体Caritas Kievの子どもたちと)

(2015年2月発行のニュースレターNo241より)